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ISO45001 最新情報

ISO45001に関する最新トピックス

「安全と健康(8月号)」(中災防)に記載されているISO45001に関する最新情報を転載します。


「ISO/PC283 第5回トロント国際会議が終了」

ISO45001の作成委員会であるISO/PC283の第5回トロント会議が、6月6日~10日にカナダ規格協会で開催された。同会議にはメンバー各国から114人の参加があり、日本からは代表エキスパート3人が参加した。

  • トロント会議の検討テーマ

 2015年9月の第4回ジュネーブ会議で検討した結果は、ISO45001のDIS(国際規格案)として本年2月にメンバー各国に配布された。しかし、本年5月に公表されたメンバー国による投票の結果、DISを次の段階(FDIS:最終国際規格案)に進めることが不承認となったため、同会議ではDIS2を作成することとした。また各国から事前に提出されたコメントは約3,000件にも及んだが、本会議では参加国のコンセンサスを得るため、特にコメントが多かったテーマについてのみ検討を行った。

 同会議で検討された主なテーマは、次のとおり。

・「worker」の定義と使い方

・個人用保護具の無償支給

・危険な状況からの労働者の退避

・非管理職の参加と協議

・法的要求事項とその他の要求事項の使い方

・箇条6(計画)の構成の見直し

・「hazard」の定義の見直し

・リスク低減対策の優先順位の再検討

  • DISが不承認となった背景

 メンバー各国の投票でDISをFDISに進めることが承認されなかった主な理由としては、次の点が挙げられる。

  1. 2015年9月の第4回ジュネーブ会議で合意された文書が、ISOによるDIS編集の段階で大幅に変更された箇所があったため、各国から不信を招いた。
  2. DISに対しILO(国際労働機関)から意見書が提出されたが、これはISOがILOとの合意書を反故にしたためとの印象を与え、各国の反感を招いた。
  3. 「Worker」の使い方に矛盾がある、附属書が十分に検討されていないなど、内容にまだ検討の余地が残されている。

 上記1.については、ISO45001の作成委員会の国際幹事より、ISO編集部門からの指示によりISO規格作成ルールに基づいて編集した旨の説明があった。しかし、各国からの反論も多く、一部の文章は編集前の状態に戻すこととなった。なお、一部だけでなくDIS全文をジュネーブ会議直後の文書に戻すよう提案もあったが、この意見は否決された。

 上記2.については、本会議の中でILOの主張を受け入れるシーンが多かった。

 上記3.については、「Worker」の使い方を見直すなどの検討を行った。

  • 今後の予定

 本会議で検討できなかった課題については、20人程度の臨時のワーキンググループ会議を9月12日~16日にデンマークで開催し、その場で議論することとした。なお、この会議にも中災防の職員を派遣する予定である。

 メンバー各国の投票ではDISをFDISに進めることは承認されなかったが、同会議では時間をかけて課題を検討し、ISO45001をさらに良いものにしようという参加国の意欲が感じられた。一例として、ドイツから「現状のDISを技術仕様書として公表し、その後に国際規格化を目指してはどうか」という提案があったが、反対多数で否決された。これは、メンバー各国がISO45001の国際規格化を強く望んでいる意思の表れであろう。

 今後のISO/PC283の会議スケジュールは、本年9月に臨時のワーキンググループ会議、10月に第6回会議、2017年5月に第7回会議が計画されている。ISO45001の公表時期は、早ければ来年6月に予定されている。

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