ISO45001コンサルの環境ワークス|ISO45001 労働安全衛生マネジメントシステムの情報

環境ワークス

ISO 45001

ISO 45001とは

ISOプロジェクト委員会(PC 283)は、新たな国際規格であるISO 45001(労働安全衛生マネジメントシステム)の作成を進めています。(2018年2月~3月発行見込み)

ISO45001基本情報

国際規格を発行するためには、ISO加盟国の投票で規定数を超えなければなりません。労働安全衛生マネジメントシステムのISO化は過去2度の投票で規定数に達することができませんでした。しかし、2013年、3度目の投票でようやく規定数を超え、国際規格(ISO)の制定が進められることになりました。これまでISO化の隘路となっていたのは既にOHSMSの指針を定めていたILO(国際労働機関)との関係でしたが、事務局であるBSI(英国規格協会)の努力により調整が付き、国際規格化の運びとなりました。本来であれば、これまで準国際規格として役割を果たしてきたOHSAS18001に代わりISO18001となれば良かったのですが、残念ながら、その番号は他の規格で既に使用されていたため、ISO45001が割り当てられました。

ISO45001の特長:安全文化を作るもの

ISO45001の大きな特長の一つは安全文化に焦点を当てていることです。

例えば航空機事故が起きた場合を考えてみましょう。その原因として考えられるのは、パイロットの操縦ミス(不安全行動)や機体の整備不良(不安全状態)となりますが、これは事故の根本的原因ではありません。
イギリスの心理学者でヒューマンエラーの研究で名高いジェームス・リーズン博士は著書「組織事故」において次のとおり述べています;

不安全行動、不安全状態は、労働災害の原因ではなく、様々な原因により発生した“結果” である。不適切な設計、監督不備、メンテナンス不良、ずさんな手順書、教育訓練不足、工具や保護具の不良などの原因が“病原体”のように長い間存在し、それがある時、管理の穴が重なって発生(顕在化)する。

私達は、不安全行動や不安全状態のみにとらわれず、その背景にあるマネジメント、さらに大きな影響を及ぼす組織の安全文化に着目する必要があるのです。

ISO45001(DIS)ISO45001(DIS.2)では、次のとおり文化(安全文化)が頻出します;

序文(0.3 成功のための要因)
b) OHSMSの意図した成果を支援する文化をトップマネジメントが組織内で形成し、主導し、推進すること
リーダーシップ及びコミットメント(5.1)
j) OHSMSの意図した成果を支援する文化を組織内で形成し、主導し、かつ、推進する
危険源の特定(6.1.2.1)
b) 作業の編成の仕方、社会的要因(これには作業負荷、作業時間、虐待、ハラスメント及びいじめを含む)、リーダーシップ及び組織の文化
継続的改善(10.3)
b) OHSMSを支援する文化を推進する
付属書A(参考)
A4.1 組織の状況の理解
b) 次のような、内部の課題:
 7)組織の文化
A.5.1 リーダーシップ及びコミットメント
組織の労働安全衛生を支える文化は、トップマネジメントによって概ね決定されるものであり、OHSMSに対するコミットメント、並びにOHSMSのスタイル及び習熟度を決定する個人及びグループの価値観、姿勢、管理の習慣、認識、力量及び活動パターンの産物である。その文化は、労働者の活発な参加、相互の信頼に基づく協力とコミュニケーション、労働安全衛生機会の検出への積極的な関与によるOHSMSの重要性に対する共通の認識、及び予防・保護処置の有効性への自信を特徴とするが、これらに限定されない。
A.6.1 リスク及び機会への取組み
e) 要求事項を超えてOHSに関わる力量を広げること、又は労働者がインシデントを遅滞なく報告するよう奨励することにより、安全文化を改善する

「健全な安全文化を持つ組織を作るためにISO45001を利用する」と考えていただきたいと願います。

他のマネジメントシステムとの統合

従来、ISOのマネジメントシステム規格(ISO MSS)の制定は、それぞれの委員会により独自に進められていました。そのため、規格によって構成や定義などが異なり利用する組織にとって不都合が生じていました。これを改善するために、ISOはISO MSSの 上位構造(HLS)と共通テキスト(要求事項)及び共通用語・定義を開発し、2012年2月以降、制定/改訂される全てのISO MSSは、これを採用することを義務付けました。したがってISO45001もHLSなどを採用することとなります。この結果、全ての規格との統合が容易となります。ただし、グローバル企業がそうしているように、EHS(ESH、HSEも同義)は専門性との観点からISO14001との統合が最も推奨できる統合マネジメントシステムとなります。

ISO45001の構成

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上位構造基準(HLS)に基づくISO45001の構成は図のとおりです。
現時点のDIS(国際規格案)では、次のようなOHSAS18000シリーズとの違いが見受けられます。

  • OHSAS18001及びOHSAS18002と違い、ISO45001は仕様と短いガイダンスの付属書を含む単一文書である
  • ISO9001やISO14001と同様に上位構造基準(HLS)が採用される
  • リーダーシップ及び経営層の役割により重点が置かれている
  • 新しいリスクベースアプローチが取り入れられている

ISO45001の開発状況

2017年11月30日に最終国際規格案(FDIS)が発行され、2018年1月25日まで投票が行われています。
投票の結果FDISが承認されれば、ISO45001は早ければ2018年2月に発行されることとなります。

ISO45001構築のポイント

弊社はこれまでにEHSマネジメントやOHSAS18001・ISO14001認証取得を数多く支援して参りましたが、その経験からISO45001構築のポイントは次のとおりだと考えています

  • 現状のOHSMSの実態と有効性を確実に把握することが不可欠である(ギャップ分析を推奨)
  • リスクアセスメントを過剰にする必要はない(労働安全衛生法で詳細に規定されているので)
  • 労働安全衛生法を確実に理解する必要がある
  • リスク管理策のプログラムが必要である(例:保護具管理、非定常作業管理など)
  • 全員参加を促す千載一遇のチャンスであると考えるべきである

ISO45001担当者に必要なこと

喫緊に必要なスキル

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前述のポイントの中でも、労働安全衛生法を確実に理解し、コンプライアンスを確実にすることは不可欠です。そのためには、条文のみを覚えるのではなく現場のリスクに適用させて考えることが必要となります。例えば、「作業主任者」は選任しただけでは十分ではありません。交代勤務の場合は全直をカバーし、法令で求められている役割(例:作業内容を決定し労働者を指揮すること)を果たさせなければなりません。実際に役割を果たしていないことによる多くの送検事例があります。
拙著「送検理由に学ぶ安衛法の理解」を参照されることをお薦めします。

出版社:労働調査会/定価:1,500円(税別)
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取り組む上での注意点

ISO45001に基づくマネジメントシステムの構築と認証取得を最短距離で達成するためのポイントは次のとおりです

  • ギャップ分析(コンプライアンス監査を含む)を実施すること
  • 有効なメンバーを揃えた構築チームを編成すること(経営層を巻き込むことも不可欠)
  • 安全衛生委員会を最大限活用し、二重構造にならないように留意すること
  • ISO45001の附属書Aを熟読して規格を十分に理解すること
  • 現場のパフォーマンス向上に注力すること

そして、経験豊富な社外専門家の支援を受けることも目標達成の近道となります。お気軽にご相談ください。

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