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疑問だらけの「日本版OSHMS」の検討

7月11日、日本規格協会と中央労働災害防止協会は、ISO45001に合わせて、日本独自の活動等を主体とした “日本版マネジメント規格”の検討に入ることを発表(プレスリリース)しました。
 「 ISO45001 」の国内での普及と実効性のある導入・実施を目指し、ISO45001の翻訳版 となる 「ISO (JIS Q)45001」と一体で運用できる新たな “日本版マネジメント規格 ”の作成を検討するとのことです。
これは、「多くの日本企業で行われている4S活動など日常的な取り組みを反映させることで、国際通用性を有し、かつ安全衛生水準の一層の向上と労働災害の防止につながる 規格とするのが狙い」とのことです。

【以下、抜粋】
ISO45001の要求事項には、厚生労働省の「安全衛マネジメントシステムに関する指針」には盛り込まれている 日本独自の安全衛生活動などが含まれていません。
そのため、ISO45001を踏まえつつ、指針との整合性等を図るため、4Sや危険予知訓練(KYT)、安全衛生パトロールなど、日本の企業で長く継続されている活動や取り組みも取り入れた仕組みを構築する必要があります。
この課題を受けて厚生労働省と経済産業が協議し、 「ISO(JIS Q)45001」と一体で運用きる日本版マネジメント規格の作成を検討することとなりました。
新たな “日本版マネジメント規格 ”の作成は、行政、企業、業界団体、労働組合、認証機関、認定機関、労働災害防止団体などで構成する 「ISO (JIS Q)45001 と一体で運用きるJIS原案の検討委員会」で検討します。
同委員会は、総合的標準化機関である日本規格協会と、「ISO(JIS Q)45001」 の原案を作成する中災防が共同で運営し、7月12 日に初会合を開催します。会合では “日本版マネジ メント規格” に掲載する要求事項などを議論する予定です。

★弊社のコメント
国際規格に4Sや危険予知訓練(KYT)、ヒヤリハット、安全衛生パトロールなどを付加するなど、到底理解できません。
現状でさえガラパゴス化している日本の安全管理を、日本規格協会や中災防はどのように理解しているのでしょうか。多くの日本企業が、グローバル企業からの二者監査に適合できない実態を把握しているのでしょうか。
昨年、ISO45001の事務局を務めるチャールズコリー氏が来日し、筆者と共に講演をしました。その際にチャールズ氏は、「不安全行動は災害の原因ではなくマネジメントの欠陥の結果である。災害が起きたらマネジメントが自らの管理を反省しなければならない」旨の話をしました。マネジメントシステム規格に4SやKYTなど作業者への取組みを押し付けるなら、それはマネジメントシステムを理解していないのではないかと疑ってしまいます。
もちろん、運用管理策は極めて重要です。それなら、世界標準であるロックアウト・タグアウトやPPE管理などグローバルに通用する管理策を導入すべきです。
もし、現状のOHSAS18001によるOHSMSが有効でないと考えているならそれは誤りで、日本企業のOHSMSが有効ではないだけです。
厚生労働省だけならともかく、国際規格を取り扱う経済産業省まで加担していることが本当に不思議でなりません。
既に認証機関などは反対の声を上げています。今後の動向を見守る必要があります。

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